農業大学校

【農業大学校】愛媛県で農業支援塾に通ってます!第一日目の日記。【桃】の【摘果】実習!

礼和元年、記念すべき農業大学校の研修、農業の担い手支援塾に入塾が決定し、5月末日一日目の講座を受けました。

前回の記事では、農業大学校の研修に必要なものをまとめました。

農業に興味があったり、研修施設の情報をしっていたりしても、なかなか踏み出しにくい人もいるでしょう。

これから農業を目指す方にとっては身近な個人の記事が、なにかのお役に立ち、農業の研修の様子が少しでも伝われば幸いです。

もくじ

どのような人が、研修に参加するの?

野菜と果樹を合わせて20人いますが、この日はお一人は欠席されて、19名でした。

そのうち13名が、実家が農家などで「農地を持っている人」でした。
退職からの農業転身や、他の仕事に従事しながらの農起業は僕を含めて3人です。
そして、残りの3名が農業法人などに就職している方たち。

やはり、農業を勉強する方は、実家が農家で土地を持っているというケースが多いようです。

農起業の三大参入条件が「農地」「資金」「技術」です。
この中で、「農地」の所得制限が「農起業のネック」であると思います。それは裏を返せば日本の食を支える農業を守るための決まり事なのですが。農地の売買、賃借は「農家」でないと出来ません。そして、最低耕作面積が都道府県により異なりますが「50R」は最低必要などの要件があるのです。

元々農家である場合は、10R以上で農家として認定されているようなので、先代から引き継いだ小さい農地を耕しながら兼業するという事が可能なようです。

僕は、収入を得るまでの期間が長い農業において、一番のリスクヘッジは「兼業」であると考えています。理想は本業にかける時間と収入を維持しながら、週末などでも管理できる広さの果樹園を管理し、副業としたいのです。

しかし、兼業からの参入では「農民」として認められない=「農地」を使用できない。という壁に当たっているのです。

やっぱり、農業という世界で見たときに最初から農地を持っているという事は非常に大きなアドバンテージですが、それはどの世界でも同じですね。

年齢層はどのくらい?

定年を迎えたあとという方も多かったです。

僕が現在35歳ですが、若い人は4~5人くらいかな?という印象でした。
でも、去年は最若手が28歳だったようで、年々若くなっており、今年は明らかに20代の方が4人ほどいました。

若者の参加が増えてきて嬉しいと先生も仰っていました。

もちろん、定年後に参加される方だって貴重です。でも、長いスパンで農業を見た場合、現在の農業従事者の平均年齢は60歳を越えておりますから、若者の参入を促したい業界の意思には沿っていますね。

農業以外の業種でも、現在は事業承継という事が盛んです。企業の半数以上は跡継ぎがいなくて黒字で終わります。また、高齢の経営者の場合、何十年も先を見越して数千万の設備投資をすることはしません、もし30代くらいの経営者であれば、長期の借り入れで大掛かりな事業展開も出来ます。
愛媛の農業に改革を起こすには、現在の農業を支えてくださっている人たちの技術、経験、信用に加え、若い力も重要です。

愛媛農林漁業振興機関の講義

塾の一日は、だいたい午前中は講義、午後から実習です。

実はこの「愛媛農林漁業振興機関」というのは、僕が農起業の相談に訪れた場所で、こちらでこの「農業大学校」のお話も聞いたのです。

そのときに頂いた資料と同じものをくださり、なんだか嬉しかったです。

このパンフレットには、農起業の目指す目的が
「現在の仕事に疲れた」や「田舎暮らしに憧れて」などの理由であればやめたほうが良いと書いてあります。農業は、そんなに甘いものじゃないんですね。

当たり前のことですが、サラリーマンから農業に転身する場合、被雇用者から、一経営者になるという事を念頭に置かなければなりません。

実家が農業であるというケースでは、実感が沸かないかも知れませんが、実際の起業とは顧客0、信用0の状態から始まります。これはとても厳しいです。
ビジネスは、立ち上げから5年で9割が倒産します。

そういう意味で、他業種からの転身の場合は特に慎重に綺麗事抜きでお金の計算をして「農業で食べていけるか」を判断しなければなりませんね。

だけど、農業の世界では生々しいお金の話がしにくいというイメージがあります。

本日の実習は「桃の摘果作業」

さすがに教えを請う塾生でありながら、写真を取りまくるのは忍びないので、この写真はイメージです。

でも、実際にこんな感じでした。

この状態になると、すでに時遅し!実際にはもっと早く摘果しなければなりません、この写真のケースだと一つを残して残りは全て摘み取ります。

  1. 30センチ以上の枝に一つの実
  2. 上向きの実は摘果して、下向きの実を残る
  3. 真ん中に近い実を残す
  4. 30センチ以上の枝は、30センチに一つ位残す
  5. 葉っぱが無い枝の実は落とす
  6. 実の左右が揃っていないものを残す
  7. 残す実を先に決めて、残りを一気に落とす

こんな感じの決まりごとを教えて頂き、摘果開始です。

あぁ、農業研修を初めたんだんぁと実感する瞬間でした、そして家庭菜園の摘果がいかに間違っていたかが身に沁みました。そして、可愛いももの実をこんなにバスバス落とすなんて

農業は愛がないと出来ない・・・と改めて思ったのです。

 

木は、20本くらいだったでしょうか・・・斜面に配置されて、すでに商業寿命は終わりに差し掛かっている桃の木だったのですが、背も大きく脚立を使った作業になりました。

二名の講師を合わせて、計13名での作業は3時間で終わりました。
でも、農家で13名の人でといえばなかなかのものです。2~3人での作業となると気が遠くなります。

こういった、実地での経験は農起業を目指すのなら必ず経験しておきたいですね!

高所作業車に乗ってみる


良い画像がなかったので、まさかAmazonでは売っていないだろうと思ってみたらありました(笑)
このような機械のもっと小さいものです。

これに実際に乗ってみました!!

事業として「桃」はとってもいいらしい!

農業では、投下資本が現金化されるまでの期間の長さがネックになります。野菜でも植え付けてから半年などかかりますし、果樹になると5年以上かかるのが普通です。

その点、桃は2年目から収穫出来るそうです。なので、一から農起業をするにはとても相性の良い作物ですね。

反面、商業価値のある期間は15年と短く、一度桃の樹を植えると、いわゆる「連作障害」が起こるそうです。なので、桃の樹でスタートしてから、徐々に他の果実にシフトするのが良さそうです。

僕は、色々な書籍も読んで勉強しましたが、やっぱり現地で先生のお話を聞くのはとてもためになります。

おわりに

これで、今回の記事、農業大学校支援塾の第一日目の記事は終わりです。
僕もそうでしたが、いったいどんな事が行われているのか想像もつかない世界だと思います。
でも、様々な年齢の社会人の方々が集まる場であります。そして、農業に従事したこともなく周りに農家の方もいない僕にとっては、皆様の言葉の一つ一つが貴重で、目からウロコの連続でした。
そして、農起業をする前に絶対に必要な過程であるとの確信を深めました。