農起業を目指す愛媛県松山市の30代、農起業を目指し、「まずはきちんと農作物を育てることが出来る人」になるために、農業大学校の研修に参加することにしました。
農業業界は、従事する方の平均年齢は60歳を越えて、他業種に比べるとウェブ上で情報発信している人は少ないと感じます。
実際に農業大学校に社会人で習いにいくとはどういうものかお伝えするために、記事を更新していきます。
もくじ
午前中の講義
基本的に9時から12時までは室内での講義となります。
講師の先生は、果樹歴30年のベテランです。
教科書に沿って進めれますが、それに載っていない内容も多くを教えてくださります。
果樹は永年作物
そもそも、僕は本来【野菜】の勉強をしたかったのです。一番好んで栽培しているのはトマトですし、農業のイメージは【野菜】の方が強かったです。
でも、愛媛県農林漁業振興機関に相談に行った時に
「レモンが良いですよ」と教えてくださったのが、果樹に興味を持った始まりです。
ちょうど、農業に関する本を大量に読んでいた頃なので、早速上記の本を読んでみました。結論としては、無農薬のレモンづくりは素晴らしいけど、ほぼ不可能なほど困難だと言うことでした。
レモンの変わった品種、ピンクレモネードを注文し、鉢植えで育てております。
また、元々お家で育てたいたレモンも育てているので、来年からは水耕栽培に挑戦します。
愛媛県農林漁業振興機関の方も、本日の先生も仰っていたように、果樹のほうが野菜に比べ手間がかからないということは確かな様です。
なかでも、ブドウなどは手間がかかりますが、柑橘は比較的手間がかからない作物だそうです。
でも、農業の難しいところは、土地にあった作物しか作れませんから、柑橘をしたいと言ってもどこでも出来るわけじゃないんですね。
愛媛県在住の僕なら、柑橘の栽培はちょうど良いかも知れません。
果樹の育成期間
果樹には
幼木期→若木期→成木期→老木期とあり、一番実を収穫出来るのは成木期でプロはいかに成木期に早く持っていくかにかかっているということでした。
柑橘などは、収穫までに5年かかると言われています。これは一般のビジネスに置いてもかなり長い投資期間となります。野菜なら半年ほどですが、仮に柑橘に専業で挑戦しようと思うと5年は収入なしでも食べていける蓄えが必要な訳ですね。
でも、この感覚は、サラリーマンから農家に転身する人の感覚で、農家とは事業主ですから、事業主という観点で見れば当初一年間は収入が無いどころか赤字を垂れ流すという事も珍しくありません。そして、5年で新事業の9割は倒産しますから、農家だけがしんどいような言い方をされることはありますが、事業としてみれば特段農業が厳しいわけではありませんね。
面白いことに、上手な方は一般の方が5年かかって成木期に入る果樹を3年で成木期にするそうです。
剪定や、土、肥料などを工夫することによってそんなに変わるのですね。
でも、参入したばかりの人は当然そんな技術はありませんから、やはり5年は必要です。
そういえば、家のレモンの樹も三年は立ちますが・・・まだまだ小さいです。
おすすめは桃
前回の講義実習で聞いたことですが、桃は2年で実が採れるようになります。これは圧倒的な速さです。そして、人気の果樹ですね。
その代り、収穫期間(年)が短い連作が出来ないという点は難しいですが・・・。
果樹栽培で農起業を考えた場合、一定の面積を桃にあてて、15年(収穫期間)後には別の果樹も十分に育っていますから、桃の木も植え替えるのも一つ有力な選択肢になりそうです。
栄養成長と生殖成長
栄養成長とは、枝を伸ばしたり、葉っぱを繁らしたりする成長です。
生殖成長とは、簡単に言えば果樹を成らす成長です。
プロは早く成長させるために、最初は生殖成長をさせずにどんどん木を育てます。
そして、果樹が収穫出来だしたら、栄養成長を止め、生殖成長に栄養を回します。
僕の様な素人は、木が小さいうちから実を育ててしまいます。ホントは駄目なんですけどね。やっぱり、最初のうちはせっかく成っている花を落としたり、実を落としたりは出来ないんですよね。
可愛い実をバスバス落とすなんて、愛がないと出来ません。
でも、これは慣れもあります、実習でどんどん実を落としているとやっぱり慣れてきますし、理論的にも木にとって良いことだと分かっているとやりやすいです。
落葉果樹と常緑果樹
愛媛県人は、やはりみかんの樹をいつも見ていますから、果樹といえば常緑ですね。
でも、全国では圧倒的に落葉果樹が多いそうです。りんごももなしぶどうなど・・・
僕も家でブドウを育てていますが、冬は枯れたかのように枝だけになります。納品されたときには、注意書きで「冬は枯れたように見えますが、生きていますので・・・」と書かれていたくらい、素人目には分からないのです。
実際、昨年のブドウは、植え付け後大きならずに、背丈も10センチ以下に縮み、もう枯れてと思っていたら、今年、四本すべて復活して去年より大きくなってきました。
これも、落葉果樹は比較的気温が低いところなので愛媛には向かない作物が多いです。
自身の園地の標高を必ず知って置かなければなりません。
葉っぱが重要
果樹は、葉っぱの数に合わせて実をならすのが重要です。実習中も、先生方は葉っぱが大事と何度も教えてくれたので、これは間違いないようです。
25~30枚に一つの実などという感覚ですね、でも、わざわざそんなを数えていたら日が暮れますので、これも慣れが必要ですね。
家庭菜園だと、自分の木の葉っぱの数を数えるのも楽しいです、庭木の葉っぱが順調に増えていっていると嬉しいです。
実の成分
最初はデンプンで、食べても固いし美味しくない、それが時間と共に糖分に変わって美味しくなるそうです。
種類によっては、気につけたまま成熟させるものや、切り離して成熟させるものなどの違いがあります。
切り離していても実はずっと呼吸をしていて、どんどん甘くなっていくそうです。
お家に置いているみかんも、そうして生きていると思うとなんだかとても可愛いですね。
その後の講義
芽かき、摘心、剪定、誘引などを駆使して樹形を整えていくことを教わります。
木によって習性が全然違っていて、それぞれにあった方法を覚えなければなりません。
ともあれ、ずっと講義を聞いているだけだはなかなか覚えきれません、百聞は一見にしかず。講義で色んな事を聞いていても、案外忘れてます。記事を書いていて、あぁ!そうだった!と思い出しますが・・・でも実習で聞いたことはかなり記憶に留まっています。
最新の脳科学では(昔から言われていますが)記憶のためには反復が一番良いらしいですね。それもインプットに加えて、アウトプットするのが大事です。だけど、教わる側の生徒にはアウトプットの場はあまり訪れません、なので、こうしてブログにするのはとっても有効ですよ!
ブドウのジベレリン処理
ブドウといえば、当然みなさん、上のようなものを思い浮かべますね。
でも、元のブドウはこんな感じなのです
これでも少し大きくなっていますが、ブドウの花穂はこんな感じです。
この一つ一つの小さな実を品種によって30個~50個くらいに調整して、綺麗なブドウの出来上がりです。
もとはこの5倍とかあるので、そのまま育てると、おばけのような長いブドウが出来上がります!!
そして、最近はブドウは種がないものと思っている方も多いそうです。
実際にはブドウは、一つ一つの身の中に種があります、その種を種無しにするのが【ジベレリン処理】です。ちなみに、昔は種無しにすると実が小さくなっていたのが、今は技術が進歩して、【ジベレリン処理】をして、種が無くなる上に実も大きくすることが出来るようです。
そのためには、2回のジベレリン処理が必要です。
誰でも簡単に出来る!
僕も、種無しブドウを作るにはジベレリン処理をすればいいということはしっていました。でも、したことのない人にとってはなんだか難しい話ですよね。
一度してみて感じたことは、簡単だってことです。
そういった実習を、教えてもらいながら実践することで、ハードルは一気に下がります。
今回は、農業大学校で実習してみたことを紹介する記事なので、ジベレリン処理自体はまたの機会に書きます。ネットで検索すれば情報は色々出てきますので、それらを参考にしてみれば簡単という認識を持ってしてみてください。
葡萄作りで農業に参入するのはどうなのか?
元々、僕はワイナリー建設を考えていたので、当然葡萄作りも考えています。
もちろん、ブドウの実を商品とする栽培と、ワインの材料とする栽培は違いますが、簡単にブドウ栽培だけを考慮したところ、かなり手間がかかる・・・という気がしました。
それに、愛媛の気候ならば柑橘を栽培したほうが遥かに理に適っているという認識を持ちました。もちろんこれは、素人目で見た判断ですから一概には言えません。
新規参入者の強み
僕のように、農業に縁もゆかりもない人が参入するのは困難な事のほうが多く・・・正直「そりゃあ、新規就農する人はいあないよ・・・」といった制度になっていますが。全くの新規就農の強みは、ゼロから土地も作物も選ぶ事が出来ることです。僕が目指す若者が農業に参入するイメージは、副業として本職を維持しながらの参入です。
世の中の流れは完全に副業容認になっています。その一つの選択肢に「農業」があってもいいと思うのです。
本業を維持することで、投資回収期間のリスクを回避できますし、落ち着いて農地探し、農作物選びをすることも出来ます。また、別のビジネスの初期投資に比べれば、農業の施設投資が別段高いとは感じません。
先代からの農地を引続ぐ場合、最大のメリットは土地があることです。しかし裏を返せば土地を選び直したり、作物を全て変更するのは大きなリスクとなります。そういう意味でのベンチャーとしての面白さは0から始める人だけの特権ですね。